Webコンサルタント中山陽平の「中小企業を強くするWebマーケティングラジオ」

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第570回:【実際】Google検索品質評価ガイドラインはAI検索のどこに影響する?RankEmbed・学習モデルなど

September 14, 2025
はじめに:Googleの評価基準を知る重要性

今回は、先日マイナーチェンジが報じられたGoogleの「Google検索品質評価者向けガイドライン」について、Web担当者の皆さんが知っておくべきポイントを解説します。このガイドラインがどのようなもので、Webサイトの評価にどう関わってくるのかを正しく理解することで、日々のWebサイト運営の質を高めることができます。

Googleの「検索品質評価者向けガイドライン」とは

「Google検索品質評価者向けガイドライン(Search Quality Rater Guidelines)」とは、Googleが検索結果の品質を評価するために、世界中にいる人間の評価者(クオリティレーター)に渡しているマニュアルのことです。評価者はこのマニュアルに沿って様々なウェブサイトを評価します。その評価結果が、直接的に特定のサイトの順位を上げ下げするわけではありません。

2025年9月の変更点:AI生成コンテンツへの言及

今回の変更はマイナーチェンジであり、Webサイト運営の方針を大きく変える必要はありません。主な変更点は、AIや自動生成コンテンツに関する評価基準がより詳しくなったことです。

  • YMYL領域の厳格化:「Your Money Your Life」の略で、お金や健康など人々の生活に大きな影響を与えるトピックを指します。この領域におけるAI生成コンテンツの評価をより厳しく見るように、という指示が追加されました。
  • 低品質なコンテンツの定義:AIを使って生成された、単なる言い換え(パラフレーズ)のような独自性のないコンテンツは、最低評価とすることが改めて明記されました。

これは、昨今増え続けるAI生成コンテンツに対して、品質の低いものを排除し、検索結果の質を担保しようとするGoogleの姿勢の表れと言えます。

ガイドラインは検索結果にどう影響するのか

品質評価者の評価が、直接サイトの順位を決めるわけではないというのがGoogleの公式な言葉です。しかしそう聞くと「では、気にする必要はないのでは」と思われるかもしれません。

しかし、そういうわけではありません、この評価は間接的に、しかし非常に重要な形で検索アルゴリズムに影響を与えています。

「クォリティレイターの評価は RankEmbed 系の学習に“教師ラベル/監督信号”として実際に使われており、したがって最終的なランキングに間接的に影響を与える仕組みなのです。

人の評価を正解データにして学習する(教師あり学習)。 正解がない領域は、人の好ましい判断を学ぶ仕組みで調整する(強化学習)。 これらの学習結果が、Rank検索やAIの出力に使われる(例:埋め込み表現や関連モデルの改善)。

FastSearchなどのAI mode や AI Overview などの関係でFastSearchという物も絡んできます。詳細は以下のブログをご覧下さい。

【SEO面の要点】Google独禁法訴訟・連邦地裁判決文(1436)[NavboostやGLUEなど内部名・役割・ユーザー行動の評価など] 

アルゴリズムの「教師データ」としての役割

評価者による「このページは最高品質だ」という判断は、GoogleのAIモデルにとっての「正解データ」となります。

この仕組みは「教師あり学習」と呼ばれ、評価者の判断を学習させることで、AIモデルが「良いサイトとは何か」を理解し、その精度を高めていきます。

この学習済みモデルが、最終的に検索結果を生成するアルゴリズムに組み込まれていくのです。

つまり、評価者の判断基準であるガイドラインの内容は、Googleが目指す検索結果の方向性そのものを示していると言えます。

そのため、私たちはこのガイドラインを理解し、それに沿ったサイト作りを心掛けることが重要になります。

Web担当者はこの情報をどう活かすべきか

では、Web担当者として、このガイドラインをどのように業務に活かせばよいのでしょうか。

1. E-E-A-Tの重要性を再認識する

ガイドラインでは、「E-E-A-T」というコンセプトが重視されています。これは以下の4つの要素の頭文字をとったものです。

  • Experience(経験):そのトピックに関する実体験があるか。
  • Expertise(専門性):その分野における高い知識やスキルがあるか。
  • Authoritativeness(権威性):その分野で第一人者として認められているか。
  • Trustworthiness(信頼性):情報が正確で、信頼できるか。

特に、前述のYMYL領域では、これらの要素がサイトの信頼性を担保する上で不可欠です。自社のサイトが、これらの観点からユーザーに価値を提供できているかを見直すきっかけにしましょう。

2. 誤った情報に惑わされないための知識を持つ

このガイドラインは、元々Googleの内部資料でした。約10年前に情報が漏洩したことをきっかけに、Googleが公式に公開するようになったという経緯があります。

こうした背景や、評価がアルゴリズムに与える仕組み(教師あり学習など)を少しでも知っておくと、外部の業者から「これをすれば順位が上がる」といった短絡的な提案を受けた際に、その妥当性を自分で判断する助けになります。

まとめ:本質的なサイト改善の指針として

今回の品質評価者向けガイドラインの変更は軽微なものでしたが、これを機に、Googleがどのようなサイトを評価しようとしているのか、その本質に立ち返ることが大切です。

小手先のテクニックに走るのではなく、ガイドラインに示されているような、ユーザーにとって価値のある、信頼できる情報を提供していくことが、結果的にGoogleからの評価を高めることに繋がります。

ぜひ、自社のサイト改善の指針として、このガイドラインの考え方を参考にしてみてください。

Web活用の「最初の一歩」に関するよくあるご質問 Googleの「品質評価者ガイドライン」とは、一体何ですか。 Googleが検索結果の品質を確かめるために、外部の評価者(クオリティレーター)に渡しているマニュアルです。どんなWebサイトが良いサイトなのか、その基準が具体的に書かれています。 このガイドラインは、自社のサイトの検索順位に直接影響しますか。 いいえ、直接的には影響しません。評価者がサイトを見て「良い」と判断しても、すぐに順位が上がるわけではありません。しかし、その評価データはGoogleの検索アルゴリズムを賢くするための「学習データ」として使われるため、間接的に重要な役割を果たしています。 よく聞く「E-E-A-T」とは何で、なぜ重要なのでしょうか。 E-E-A-Tは「経験・専門性・権威性・信頼性」の頭文字です。Googleが、特に金融や健康など人々の生活に大きく関わる情報(YMYL)において、信頼できる情報かどうかを判断するための重要な基準としているためです。 AIが作ったコンテンツは、Googleから低く評価されてしまうのでしょうか。 内容によります。AIが作ったというだけで低評価になるわけではありません。ただ、単に他のサイトの情報を言い換えただけのような、独自性のない低品質なコンテンツは、最低評価の対象になるとガイドラインで示されています。 Web担当者は、このガイドラインの情報をどう活用すれば良いですか。 ガイドラインを読むことで、Googleがユーザーにとって価値のあるサイトをどう考えているかが分かります。小手先のSEOテクニックではなく、ユーザーのために質の高いコンテンツを作ることの重要性を再確認し、サイト改善の方向性を決める指針として活用できます。

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代表取締役・コンサルタント 中山陽平

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